Case File#4　嵐の記録は嵐が塗り替える「弱くても勝てます」【２】

もちろん公式アカウントのフォロワー数が全てというわけではないですが、ドラマへの関心度や注目度を判断するためのわかりやすい指標である「フォロワー数」に注目して見ていきます。

それぞれのドラマの最終回終了後、少し日にちがたってしまいましたが、2014年7月18日の24時近辺の数フォロワー数を表に記しています。正確な数値の比較ではなく、大体のこれくらいの数だよ、というゆるい感じで見てくださいね。どのドラマも最終回終了後なので、ピーク時のフォロワー数に比べて若干減少していると思います。

2014年4月～6月TVドラマ平均視聴率ランキング・Twitterアカウント情報

いまさらになって気づきましたが、2014年4月～6月クールは、Twitter/Facebook 併用型のプロモーションが多かったのですね。その前のクールでのTwitter/Facebook 併用型のドラマは、「相棒」と「隠蔽操作」の2つだったのが、今回は8つのドラマでTwitterとFacebookの両方を併用しています。Facebookの like数としては、「続・最後から二番目の恋」と「MOZU」が多いですね。

表の注釈がやけに多くなってしまって、フォロワー数やLike数の比較がわかりにくくなってしまいましたが、例によってTwitterのフォロワー数・FacebookのLike数の多い順に、上位の5位までのランキングを並び替えてみましょう。TwitterとFacebookの両方にアカウントがあるものについては、単純にTwitterとFacebookで多いほうの数でランキングしました。

ソーシャルエンタメ的　フォロワー数・Like数ランキング

それぞれについて、軽く考察しますね。

「弱くても勝てます」の圧倒的な数値の多さ、No.2 の「続・最後から二番目の恋」の4倍の数値です。そして、視聴率では No.1,No.2 の「花咲舞が黙ってない」と「ルーズヴェルト・ゲーム」が、ソーシャルエンタメ的なランキングでは下のほうというのは、ちょっと意外な結果です。

視聴率についてWikipediaを見てみると、例えば関東だったら、標本数 600世帯を母体として視聴率を算出しているとのことです。「花咲舞が黙っていない」は平均視聴率 16.06％ だから、600世帯中平均 96.36世帯が見てたってことになるのかな。そして、「弱くても勝てます」は平均視聴率 9.89％ なので、600世帯中平均 59.34世帯が見てたこととなり、2つの数値の差は約 37人。うーん、小学校ひとクラス分くらい、ですか。。。

そして、「花咲舞が黙っていない」と「弱くても勝てます」のTwitterフォロワー数の差は、12万以上。。。

 この 37人という数値と12万以上という数値をどう説明していいのか、、、、統計学的には600のサンプルがあれば傾向をつかむのに十分なのかもしれませんが、視聴率の世界とソーシャルエンタメの世界が異次元すぎな気もします。(しかし、この異次元具合が、実に興味深い。)

今回、嵐の大野智さん主演「死神くん」の公式Twitterアカウントがなかったのがとても残念でした。個人的には「弱くても勝てます」と「死神くん」のソーシャルエンタメ的比較をぜひ行いたかった。。。

あと、表の「死神くん」の注として『「なりすまし」のSNSアカウントが確認された』と記述しましたが、実は「弱くても勝てます」でも、前クールの「失恋ショコラティエ」でも、「なりすまし」のTwitterアカウントが一時出現していました。両者とも公式のTwitterアカウントとまったく同一内容を、日にちがたってから後追いでつぶやくというアカウントが出現したのですが、すぐに消えていきました。公式サイトと同一内容のツイートを行うというのは紛らわしいですよね。公式が流した写真もそのまま流用しているので、公式アカウントと勘違いしてしまった人も、もしかするといるかもしれません。

第２位：続・最後から二番目の恋

Twitterのフォロワー数より、Facebookの Like 数のほうが圧倒的に多いという珍しいケースです。Twitterが告知的な内容が多かったのに対して、Facebookでは登場人物がドラマに連動した内容の発言をポストするという形だったため、ドラマと並行してFacebookの投稿を楽しむ方が多かったのでしょう。

第３位：MOZU

第４位：BORDER

第５位：ビター・ブラッド

まとめてコメント。この３つのドラマは、視聴率でも上位のほうだったし、話題性のあるドラマだったのでソーシャルエンタメ的にも上位なのは頷けます。「BORDER」がBlu-ray＆DVD発売の９月26日まで待たずに、７月頭には早くもTwitterアカウントをいさぎよくクローズさせてしまったのには少し驚きました。Blu-ray＆DVDのプロモーションはTwitterでは行わず、純粋にドラマの内容についてツイートするアカウントだったようです。

ひとつ意外だったのは、「ルーズヴェルト・ゲーム」がソーシャルエンタメ的に上位に入らなかったこと。話題性はあったと思うのですが。。

各Twitterアカウントのツイート数についても見てみましょう。

各Twitterアカウントのツイート数

～100ツイート

なるようになるさ。@narunaru_tbs

100ツイート～

ホワイト・ラボ  @whitelab_tbs

ビター・ブラッド @Bitter_Blood_

続・最後から二番目の恋  @nibanmeno_koi

200ツイート～

弱くても勝てます @katemasu

400ツイート～

MOZU @MOZU2014

花咲舞が黙ってない @hanasakimai2014

アリスの棘  @alice_tbs

800ツイート～

ブラック・プレジデント @blackpresident8 

1000ツイート～

BORDER   ＠BORDER_PROJECT

ルーズヴェルト・ゲーム  @ROOSEVELT_GAME 

2000ツイート～

トクボウ @ytvdrama  (*1)

6000ツイート～

極悪がんぼ @gokuakuganbo

(*1)

トクボウ @ytvdrama  は、2010年6月あたりから開設されており、同時間帯に放送されるドラマを引き継いでつぶやくアカウント。

前クールの「慰謝料弁護士」放送終了後は、アカウント名が「トクボウ 警察庁特殊防犯課」となりツイートされていた。「トクボウ」放送終了後は次のドラマには引き継がれていないもよう。

特筆すべきは、「極悪がんぼ」公式アカウント @gokuakuganbo の6000ツイート以上という驚くべき数値です。正確には、2014/3/12のアカウント開始から 2014/6/24 までの104日間で 6630ツイート。一日平均約64ツイートという計算になります。

「極悪がんぼ」の公式キャラクターである「金暮TARO」がツイートする形式をとっており、ツイートの内容としても、フォロワーさんたちとの交流を頻繁に行い、公式史上初のVineを使用したり、「がんぼ絵」を募集し優秀作品をドラマの登場人物がVineで発表したりなど、積極的に双方向のコミュニケーションを図った、ソーシャルエンタメ的にもチャレンジングな公式アカウントでした。

「2014年4～6月期TVドラマ　ソーシャルエンタメ的ランキング 」いかがでしたか。視聴率ランキングとは全く異なる次元のドラマの話題性・関心度が見えてきて、実に興味深いです。

「2014年7～9月期TVドラマ　ソーシャルエンタメ的ランキング 」はどんな結果になるのでしょうか。木村拓哉さん主演の注目の「HERO」は残念ながら公式アカウントがないのですが、その他のドラマはどのようなランキングとなるのか！ また分析しますのでお楽しみに！

それにしても、嵐メンバー主演のドラマ公式アカウントは群を抜いてフォロワー数が多いですよね。8月1日から公開される、嵐メンバー５人が出演の『  映画『ピカ☆★☆ンチ』公式 @pikanchihalf  』が、 2014/6/19に開設されて一か月後の2014/7/18 にすでに10万フォロワー越えです。５人とも出演とあって10万達成までの期間も超絶早い～。